2011年10月19日水曜日

鎮魂の秋、祭りもできた!

 悪夢の震災、しかし例年と同じように秋がめぐってきた。
町並みは見慣れたとはいえ殺風景な砂漠を思わせるような光景が依然として変わっていないが、夕方になると少しずつ電灯の明かりが増えてきている。
 9月、多くの議論の末、大槌祭り開催が決まった。しかし安渡の鎮守、二渡神社は今年の開催は見送りという結論となった。
 一方の小鎚神社、開催名称は「小鎚神社祭典 ”魂と供に” 」である。
賛否両論は当然として受け止め、開催日は9月24、25日、犠牲者を想い、その魂に捧げる祭りである。

小鎚神社参道から拝殿へ
24日は宵宮祭、時々雨まじりのあいにくの天候だったが、本番時刻には雨もなく神社本殿前は例年同様の多くの町民の方々であふれんばかりの賑わいである。先に参拝している中須賀太神楽を待つこと10分、参道で待機していた若手コンビが満を持しての迫力いっぱいの舞を見せてくれた。

 翌日25日、天候も絶好の秋晴れ、神輿殿前に整列し、神輿に御魂入れ直後とフィナーレの神輿納め、最初と最後が臼澤鹿子踊の出番である。

神輿殿前でいざ本番
前日に増して、町民はもとより県内外からもたくさんの方々が見に、いや応援にかけつつけてくださったのだ。ありがたいなあ! と心から思った。同時にものすごく気持ちが落ち着いた。ホッとした・・・。うれしかった。
鎮魂の神輿と虎舞
わが鹿子踊りは 笛太鼓の囃し方:19人、踊り方:32人、付き添い役の親御さんを含めると70数名が参加した。
例年の7割ではあったが5才から70才までの大所帯である。

神輿の担ぎ手、虎舞、太神楽、みな真剣に目いっぱい取り組んでいた。
想いはひとつであった。
 今年も終わった・・・、来年は・・・・・・・。

2011年9月18日日曜日

三陸も秋祭り本番

9月に入り、各地で祭りの音が聞こえてくる。
しかし、いつもと違う響きである。
震災から半年が過ぎたが、だれも忘れたわけではない、浮かれているわけでもないが、生かされた人たちが力を合わせて何かに打ち込むことで何かが生まれるような気がする。
半年過ぎて実感がつよく持てるようになった。「犠牲になった方々の分まで生きた人間がやり遂げなければ・・・」
でも、まだ同じきもちになりきれない人たちもたくさんいる・・・・・やれる気になれたものからはじめようと決めた。

ドロの木の加工
鹿子踊りの準備は手数がかかる。9月はじめから”ドロの木”を削って、機械にいれて、カナガラづくり。一頭の頭につける数は約300枚。
今年の参加メンバーは半数と見込んで20頭分、6000枚を2週間で完成!


内陸部の遠野市からも震災以後、数々のご支援をいただき、秋祭りにもお招きいただいた。
恩返しの意味もこめ、目いっぱいお見せしようと5日前から練習し、17日の本番に臨んだ。
今年の遠野祭りのタイトルは「神々への祈り ”復興への願い”」であった。
あいにくの雨模様だったが、雨雲を吹き飛ばせ!の市長の激で、オープニングおよび郷土芸能パレードは無事終了も、直後から降り始めた雨が夕方には本降りとなり、本番の「神々の叫び、郷土芸能競演会」は、衣装、カナガラ、足元のワラジまで濡れてしまったが、参加者総勢35名の熱意は十分に伝えることが出来た。
たくさんの声援をいただいたし、なみだをながして感動してくれた。
遠野の皆さんありがとうございました。
午後8時20分、満ち足りた気持ちで遠野を後にした。

遠野市「郷土芸能競演会 神々の叫び」本部関前にて


さあ、今度は地元大槌だ! 小鎚神社境内のみでの例祭だが、サブタイトルは 「魂と供に!」 である。
思いっきり汗をながそう!。目に汗が入ったら素手で拭きながら。

2011年8月14日日曜日

海の盆、鎮魂の夏

 例年になく暑い今夏、8月に入り蝉の声とともに虫の音が聞こえはじめた。
 そんな中、各地で鎮魂の集いが催され、あらためて涙をさそわれるこの頃でもある。
 たくさんのボランティアの皆さんの協力で町のお寺の周辺はきれいに掃除はされたものの、墓地や墓標が完全に破壊された状態である。
 しかし何とかスペースをつくり、それぞれにお花を供え手を合わせる視界の先には、依然として廃墟と化した建物が残っている。
 悔やんでいる時期ではない、と心にいい聞かせつつも胸にせまるものを抑えることが出来ない。
 一方東側に目をむけると、真っ青に穏やかな海がどこまでも広がって、姿を見せないで鳴いているカモメの声にまた・・・・・
 今日8月14日の大槌を撮ってみた。見る人によりまた想いがあるのだろうか? と思い載せてみた。
破壊された墓地と建物

凪の大槌湾







 5月から臼澤鹿子踊りも多くの会員の協力で、数々の要請に応え活動しているが、8月以降はすでに実施済みも含めて以下の計画で活動予定である。

 ・8月7日   遠野七夕祭り(遠野市) 28名参加
8月7日夜、遠野七夕祭り

 
 ・8月11日  三陸海の盆 (大槌町) 47名参加
8月11日 三陸「海の盆」















9月の活動予定
 ・9月10日  臼澤祭り  (伝承館)
 ・9月11日  盛岡秋祭り (盛岡市)
 ・9月17日  遠野祭り  (遠野市)
 ・9月24日~25日 小鎚神社例大祭(大槌町)

2011年7月31日日曜日

伝承館避難所も今日で閉所

 あの日から4ヶ月と20日、今日7月31日をもって伝承間避難所閉所。
朝8時から小雨の中、続々と皆さんが集結し、伝承館の内外の大清掃を開始、さすがに避難当初の百数十名には及ばないまでも約半数の方々の応援で、予定時間を2時間も短縮して清掃完了。
 日常、掃除のプロのお母さん方をはじめ各自が当たり前のごとく分担し合っての清掃は、まさにこの5ヶ月弱の期間、全員が役割分担しながらごく自然に避難生活できた伝承館の雰囲気そのものであった。
 すべて終わって缶ジュースを片手に、涙ながらに感想を述べる人、啄木の詩の一節をうたう人、あっけないようなひと時であったが何時の日か、再び同窓会をしよう!といいながら三々五々離れていった。
 この日がもっと早く来るべきだったし、まずは喜ばしいことなのだが、小雨模様を反映したような少ししょっぱい気分だった。
 しかし、やっぱりおめでとう! といいたい。
そして、まだまだ出発点でもあるが、皆さん!まずは今夜はゆっくり休んで、健康第一で、それぞれの道に向かって、それぞれの速度で歩いていこう。坂道がきつかったらまた声をかけてください。と心で呼びかけた。
今日はご苦労様でした、そして長い間、お疲れさんでした。

2011年7月13日水曜日

梅雨も明け夏本番

一面冬景色の震災当時から早4ヶ月が経過した。
当初120名を超えた避難者も、やっとのことで全員の行き先が決まった。
多くが仮設住宅とはいえ、みんなの表情も安心感に満ちている。
東北も今年の梅雨は集中的な雨も少なく、雨水災害の心配がなかったのは良かった反面、この臼澤の地自慢でもある「沢水」が乏しくなってきた。
雨よ降れ!とも願ってしまうこのごろである。
ともあれ東北も梅雨があけたと同時に夏本番。夕刻の今、外は”ひぐらし”のこえが賑やかな中で、広場では父ちゃんや兄ちゃん10人ほどが木製の長椅子に腰掛けて津波談義だ。
それぞれに間一髪の命拾いで”運がよかった!”である。
犠牲になった人々には、もっと早く、なぜ、の言葉がよぎるが結果”運”がなかった、としかかける言葉はない。
 残されたわれわれの義務=風化させない+しっかり生きる。
そして忘れない3.11!
しかし 4ヶ月ぶりの避難当初の写真をみると、もう忘れかけている! 猛省である。

外の深緑につつまれた臼澤の地、30度を超えた日中の気温も夕闇とともに涼風に変わり、なにごともなかったように穏やかである。

2011年6月18日土曜日

震災から100日

今日で震災から100日。
野や山は冬景色で横なぐりに雪が降った震災当初とは季節が変わり、ここ伝承間の周りは、新緑とふかい緑に一面つつまれています。
今朝の夜明け前からはホトトギスが鳴き始めました。
現在の避難者数は32名、自宅を失い仮設住宅の完成を待ちわびている方々のみですが、みんなで役割を分担しときどき笑い声も聞こえたりと、つかの間の平穏な時間が流れています。
ホトトギスの声を聞きながら6時半から日課のラジオ体操、そして全員で「黙祷・・・・・」
仏教では100カ日とは、亡くなられた人々に対する嘆きや悲しみに、生を得て残っている人々が一区切りをつけて前向きに踏み出すきっかけとする日なんだとか・・・。
野山の新鮮な緑を活力にそれぞれが、それぞれのスタンスで歩き出そう!
と想い新たな6月18日です。

2011年6月12日日曜日

盛岡「三陸復興祈願祭」に参加

6月11日、東日本大震災から3ヶ月
失った人、ものへの思いが変わるものではないが参加団体の熱意がモロに感じられました。
大槌、山田からのそれぞれの参加団体の熱気も来場のお客様にも伝わり涙ながらに感動されている方々が多く見受けられました。
一方、逆に励まされ自分たちも胸に迫るものを感じ、久しぶりに良い一日を体感ししました。
主催していただいた「櫻山神社奉賛会」をはじめ協賛の方々に改めて感謝の気持ちです。
朝からの雨も天に通じ、郷土芸能とちゃぐちゃぐ馬っこはスッキリと晴れ渡り、心に残る一日で、前向きに!決意を新たにしました。

2011年6月10日金曜日

盛岡桜山神社、三陸復興祈願祭

6月11日(土) 午前11時30分~午後1時30分
桜山神社境内にて三陸復興祈願祭の一環で「沿岸地域伝統芸能奉納」が行われます。災害から3ヶ月、自然にある神との係わりを想い、人と人とをつなげる縁をより深めることができればと願い参加します。

2011年5月5日木曜日

臼澤鹿子踊りは活動再開しました

去る3月11日の悪夢の日から数えて50日、400年の伝統をもつ郷土芸能「臼澤鹿子踊」の継承を目的に、5月1日「復興の群舞」として再開しました。
関係各位のご支援に心から感謝申し上げ、今後ともご指導をお願いいたします。
今後の予定は、本拠地である伝承館および当地区の小鎚神社を起点に少しづつ、ゆっくりと活動してまいります。
よろしくお願いいたします。


2011年5月2日月曜日

5月3日 臼澤鹿子踊、遠野獅子踊りとの共演

場所:遠野市 蔵の道広場
11:00~16:00
東日本大震災チャリティーバザーに参加
今回の震災で第一線の支援拠点として物心ともにお世話になった遠野の皆さんへのお礼を兼ねて、遠野しし踊りの方々と共演させていただきました。
仲間の犠牲者もいまだに行方が不明のままでもあるが、犠牲者への哀悼の気持ちを内心に込めつつ30名の有志で参加しました。
昭和17年に遠野市で開催された、岩手県東部芸能連合大会に参加して以来の参加となりました。
今後の遠野しし踊りとの交流のきっかけになることを願っています。